- *コーゼーション的推論(因果的推論)とエフェクチュエーション的推論(効果的推論)**は、起業家がビジネスを展開する際の思考プロセスを説明するフレームワークです。これらは、**3つの推論(アブダクション推論、帰納的推論、演繹的推論)**と深く関連しています。以下では、それぞれがどのように関係しているかを詳しく解説します。
1. コーゼーション的推論(Causation)と3つの推論の関係
1.1 コーゼーション的推論の概要
- 目標志向型のアプローチで、明確な目標や目的を設定し、その達成のための手段や戦略を計画します。
- 未来は予測可能であると仮定し、過去のデータや市場分析に基づいて行動します。
1.2 コーゼーション的推論と演繹的推論
- *演繹的推論(Deduction)**は、一般的な原理やルールから具体的な結論を導き出すプロセスです。
- コーゼーション的推論では、既存のビジネス理論や市場の法則(一般原理)を基に、具体的なビジネス戦略(具体的結論)を立案します。
- 例: 市場全体の成長率を基に、自社の売上目標を設定する。
1.3 コーゼーション的推論と帰納的推論
- *帰納的推論(Induction)**は、具体的な観察やデータから一般的な法則やパターンを導き出すプロセスです。
- コーゼーション的推論では、過去のデータや経験からパターンを抽出し、それを未来の予測に活用します。
- 例: 過去の販売データを分析し、季節ごとの需要パターンを見つけ出す。
1.4 コーゼーション的推論とアブダクション推論
- コーゼーション的推論では、**アブダクション推論(Abduction)**の役割は限定的です。なぜなら、コーゼーションは予測可能性と計画性に重きを置き、既存の情報や理論に基づいて行動するためです。
2. エフェクチュエーション的推論(Effectuation)と3つの推論の関係
2.1 エフェクチュエーション的推論の概要
- 手段志向型のアプローチで、**現在の資源や能力(誰であるか、何を知っているか、誰を知っているか)**を出発点とします。