易経には、江副さんの本に「自ら機会をつくりだし、機会によって自らを変えよ」は易経の窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず、通ずれば即ち久しをもとに意訳した書かれていたところから興味を持った。意思決定にあたって、変化の兆しを捉え、未来を予測するのに易経は役に立つと思う。

変化の激しい現代。組織を率いるリーダーには「兆し」を察知する洞察力が不可欠。難解とされる易経をリーダーの心得として平易に解説。 易というと、占いのイメージが強いかもしれません。しかしもともと易経は、四書五経の筆頭、古代中国の君主が学んだ「帝王学」の書でした。一国を率いるリーダーは、時の本流を洞察し、兆しを察する直観力が不可欠です。洞察力、直観力を身につけるのは難しいことですが、それをあえて「易しい」ものにしようと研究されてきたのが易経なのです。本書は、経営者や管理職に易経に基づくアドバイスをしてきた著者が、リーダー論としての易経を平易に紹介したものです。中心は乾為天と呼ばれる龍の話。地に潜んでいた龍が力をつけ、大空へ翔けのぼり、やがて降り龍となるという龍の成長過程に、リーダーとしての「時の変化の道理」を学ぶというものです。さらに「時」「処」「位」の各章では、組織におけるリーダーのあり方、また組織の保ち方を具体的に説いていきます。変化が激しく混迷を極める現代、本書はあらゆる立場のリーダーのたしかな道標になるはずです。

「時」と「兆し」を見極める

序章 易経とは何か

第1章 リーダー成長論―乾為天

第2章 陰を生み出し、陰に転ずる

第3章 「時」―時の法則性を読む

第4章 「処」―組織の環境を整える

第5章 「位」―リーダーの出処進退

終章 混沌へ復る

目次